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moxafrica(モクサアフリカ)とは?

​moxafrica(モクサアフリカ)とは?

moxafricaは、2008年に2人のイギリス人鍼灸師(Merlin Young and Jenny Craig) によって設立されたイギリスのチャリティ団体です。現在はイギリス本部には理事が7名います。​​​

moxafricaは、「日本の直接灸が結核治療の補助的な役割をつとめえるのか」という研究、および「お灸の普及活動」、「お灸の普及活動をする団体・個人への支援」に重点を置いて活動を行っています。

 

イギリスの鍼灸師もあまり治療にお灸を使いません。

その背景として、「きちんとした指導者がいないこと」、「鍼の研究に比べお灸の効能に関する研究が進んでいないこと」「知る機会が少ないこと」が考えられています。

moxafricaでは、ウガンダ共和国でお灸のRCT研究を実施しました。その際の論文のダウンロードはこちらよりどうぞ。

Results of Research

また要請に応じて、お灸の講演活動も行いmoxafricaの活動報告を日本語で行っています。ご興味がおありの方はメールにてお問い合わせください。

日本、イギリス、アフリカ、そして世界を繋ぐもの

今から時計の針を戻すこと約100年、20世紀初頭の日本。

 

およそ7人に1人の日本人が結核で亡くなっていたという昭和の時代、かつて「お灸博士」と呼ばれる一人の医師がいました。

彼の名は原志免太郎。

​まだ抗生物質もなかった当時、結核の悲惨な状況を救うべく立ち上がった彼。医師である彼が用いたのは、古来から存在する日本の医療技術である「お灸」。わずか米粒ほどのお灸を足や腰に燃やすことで結核に挑むという、斬新かつ非常に野心的な試みでした。

のちに彼の結核治療はみごとに実を結び、やがて結核に対するお灸の有効性を実証してみせた彼は、108歳という当時の男性長寿日本一の栄誉とともにこの世を去りました。

時は流れ、21世紀の現在。アフリカ・アジアを中心に結核の新たな感染者数、そして結核による死者数の増加に歯止めがかかりません。また、HIV/エイズとの重複感染や薬剤耐性結核といった脅威が問題をさらに複雑化させています。1993年のWHOによる結核非常事態宣言が発表された後も、この四半世紀で5,000万人以上の命を結核が奪い去りました。

 

そんな世界の現状に立ち向かうべく2008年、イギリスのチャリティ団体としてmoxafricaは発足しました。原博士の偉業に畏敬の念を抱くと同時に彼の意志を引き継ぎ、「結核治療におけるお灸の有効性」の追求、そして世界から結核患者をなくすことが私たちの使命です。

そう、かつて有効な薬もなかった日本で、結核治療としてのお灸が数多の日本人の命を救ったように。イギリス人鍼灸師の2人がおよそ10年前にアフリカの地で初めて蒔いた種。多くの人達に支えられて少しずつその根をのばし蕾をみせ始め、今ではアフリカから大きく広がり、世界中でまさに花開こうとしています。

​お灸がともす光

体の上で小さな艾(もぐさ)を燃やす。そんな一見古めかしく極めてシンプルな医療技術は、残念ながら結核を完治させる治療法ではありません。

 

結核の治療には薬が必要不可欠ですが、やはりそこは諸刃の剣。抗結核薬の服用による重度の関節痛、食欲減退といった副作用の例は枚挙にいとまがありません。結果として、副作用のつらさから不幸にも薬をやめてしまう患者さんが後を絶ちません。

食べ物を口にできなくなった彼ら。ついには病床に伏せ、死が来るのをただ待つほかに選択肢がないのです。けれどもお灸は、そんな暗闇につつまれた彼らをそっと照らす、一筋の光となるのです。

 

 

お灸によって、薬の副作用を劇的に和らげることが可能です。関節痛でトイレが出来ないつらさから薬をやめてしまう患者さんの苦悩を、お灸は取り除いてきました。

 

お灸を続けた結果食欲がモリモリ湧き、今度は沢山の食料を調達しなければならないという嬉しい悲鳴も上がるほどです。体の上でお灸の火を燃やし続けるうちに、彼らの顔に笑顔という灯火も宿っていくのです。

 

2016年には長年のRCT/臨床研究の結果、結核とHIV患者のお灸の効能として免疫力(CD4)の向上を証明することに成功しました。免疫力とは患者さんたち自身の病気に対する抵抗力、すなわち「病に打ち克ち、生きようとするチカラ」に他なりません。

 

絶望の淵にいる人たちの運命を変えうる。そう、お灸はそんな可能性を秘めているのです。

現代社会と日本人

行き過ぎたグローバリズム、そしてその反動によるナショナリズムが交錯する現代社会。私たち日本人は今一度、日本人としてのアイデンティティ、そして日本が持つ文化の本質を再考する時代に生きているように思うのです。

礼節を重んじ、他者への深い共感と貢献心を持つ日本人一人ひとりの行動が、世界をよりよく変えていく可能性を持っていると信じています。

 

moxafricaはイギリスで生まれたチャリティ団体ですが、世界中のどの国よりも日本と密接に関わっています。

だからこそ、私達の先祖を苦しめた病がいまなお場所を変え、多くの人命を奪い続けているという惨状を、それでも、日本の地で用いられてきたお灸が、その救いの手になるという誇りを、そして、日本にいても一人ひとりの行動を通して、遠く離れた結核患者の笑顔に貢献できるという喜びを、一人でも多くの日本人の皆様と分かち合い、共に歩んでいけたらと考えています。

 

私たちだけが投じる小石の一粒一粒は小さな波紋に過ぎないかもしれません。それでも、その波が様々な場所で様々な波と合わさりながら果てしなく広がりをみせ、やがて大海に生じる穏やかで優しく、それでいて力強い高波になることを私たちは願ってやみません。

 

moxafricaへの貴方のご支援及びご協力を、心よりお待ち致しております。

​ハリエット

「私は関節炎の痛みと硬直がひどく、また薬の副作用による食欲不振に苦しめられてきました。 しかし、お灸を使い始めるとこれらの症状が全くなくなりました」

​コレット

「お灸はもう一度、私に命をくれました」

​運営

moxafrica

連絡先(日本語対応)

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